Canon EOS Kiss Digital (300D)
HEUIBフィルターのテスト 04/12/30
青線: 一眼デジカメ内蔵色補正型IRカットフィルター 黒線: IDAS UV・IR-Blockフィルター 赤線: IDAS HEUIBフィルター |
非常に期待がもてる特性ですが実際の撮影で効果がでるかどうか。
KissDigitalに組み込んでテストをします。
2004/12/30
■フィルター枠(Filter1)の製作
HEUIBフィルターの外形が少し大きくてクリアフィルターの枠は流用できないため新規に製作です。
アクリル切削加工 (上) C A D 図 面 (下) 2個取り |
切削加工した物を切り離す (構成部品2点) |
接着剤で組み立て |
完成 肝心なフィルターは明日到着予定なので 今日はここまで。 |
2004/12/31
■HEUIBフィルター換装
枠にフィルターを接着 |
分解して気が付いたのですが IRCフィルターがいつのまにか20Dと同じ寸法に。 20Dと兼用パーツになったんですね。 最新ロットの改造もしていますが全く気が付きませんでした。 |
2005/01/01
明けましておめでとうございます 本年もよろしくお願いします |
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2005/01/03
■フレア・ゴーストの確認
CMOS面にHEUIBを取り付けた場合、輝星にフレア・ゴーストが出ることがあるそうです。
景色で確認しましたが、確かに出ます。星でどうなるかが心配です。
最悪、CMOS面にクリアフィルター。ミラー手前の窪みにHEUIB(FILTER2)の方式になるかも知れません。
バンパーの反射光 |
2005/01/05
■クリアフィルターとHEUIBフィルターの色調確認
スッキリしない空ですが無理矢理比較します。
明らかにHEUIBフィルターのほうがニュートラルです。
自宅で撮影。
NIKON 180mm AF ED F2.8
感度:ISO800 露光: 6Sec WB:太陽
Filter1(クリア) |
Filter1(HEUIB) |
2005/01/06
■HEUIBフィルター(Filert2)の製作
基板が角形なので、枠を新規製作
表 |
裏 |
KissDigitalに嵌める |
2005/01/06
■フレア・ゴーストの確認
相変わらずスッキリしない空。
薄曇りであまり参考になりませんが取りあえず掲載します。
自宅で撮影 シリウス
NIKON 180mm AF ED F2.8
感度:ISO200 露光: 4Sec WB:太陽
フォトショップで自動レベル調整
500x500pixelにトリミング
Filter1(クリア) Filter2(なし) |
Filter1(クリア) Filter2(HEUIB) |
右がCMOS直前のHEIUIBフィルター画像 よく見ると赤色のリングが確認できます。 |
Filter1(HEUIB) Filter2(なし) |
左上のシリウス 中央のシリウス 右端のシリウス Filter1(HEUIB) Filter2(なし) シリウスの位置を変えて撮った画像。 撮影条件や画像処理はまちまちです。 画像を強調処理すると、結構目立ってきます。 |
2005/01/11
■テスト予定
冬型の荒れ模様の天候でテスト撮影がなかなかできませんが、天気が良くなったらオリオン座のNGC2024を撮る予定です。
●CMOS直前HEUIB(Filter1)のゴースト確認
前述の仮撮影で悲観的な結果でしたが再確認をします。
●従来通りの改造品(クリア(Filter1))で撮影
赤外のカブリを確認
●従来通りの改造品にHEUIB(Filter2)を付けて撮影
HU域のS/Nが向上するのか
●従来通りの改造品にLフィルター(Filter2)を付けて撮影
赤外カブリの低減確認とHEUIBとの比較をする
●従来通りの改造品にLPS−P2(Filter2)を付けて撮影
NGC2024で顕著な色抜けの確認
・LPS−P2は光害地でS/Nを上げる有効なフィルターですがいまいち釈然としないのがNGC2024の色です。
黄緑に近い色が魅力的な星雲と思っているのに、LPSですと真っ赤になってしまいます。
・LフィルターはNGC2024の本来?の色がでるのでしょうが、光害でカブリやすい。
・そこで期待しているのがHEUIBフィルターです。
特性グラフからすると、Hα以外の赤は減衰させますのでHαが浮き上がるのではと期待しています。
もちろん、短波長側の光害の影響は免れないでしょうが、さてどうなることやら。
・CMOS直前HEUIB(Filter1)はゴーストが致命的な欠陥になることはほぼ間違いないでしょう。
Filter2の位置にHEUIBを装着するとゴーストの影響が緩和されるとの情報がありますのでこれに期待をしています。
NGC2024を選ぶ理由の一つは近くの輝星(オリオン座ζ星)があることです。
2005/01/13
■テスト撮影
初めての地で撮影
施設の駐車場ですが20〜30基の水銀灯のうち4基が予想に反して一晩中ついています。
50m先の1基と100m先の3基ですが、本が読める明るさです。
雲が多くてサンプル数が稼げないし、最悪条件で撮影しましたが折角なのでUPします。
画像1と2は雲の影響をまともに受けていますのでほとんど参考になりませんが、画像1(CMOS直前HEUIB)はフレアやゴーストの影響が強く表れています。CMOS直前は無理です。
画像3〜5は雲もなく何とか評価できそうです。
フィルターの特徴がそれぞれ出ていて、HEUIBは L と LPS−P2 の中間的な写りです。
Lフィルター画像の赤色を落としてHαはそのままという特性が何となく分かります。
公平な評価をするには、コンポジット数を多くしてノイズ等の外乱を無くして評価するべきでしょうし、街灯の下なんて以ての外です。
結局、LPSーP2が一番効果があったという皮肉な結果になってしまいました。
次回は条件の良い場所・天候で作品に仕上げて評価できればと考えています。
1- Filter1(HEUIB) |
機 材 : ORION 300mm F4 I S O : 800 露出時間 : 2分 コンポジット: なし 画像処理 : なし |
2- Filter1(クリア) |
3- Filter1(クリア) + Filter2(L) |
4- Filter1(クリア) + Filter2(HEUIB) |
5- Filter1(クリア) + Filter2(LPS-P2) |
2005/03/25
■評価
散光星雲の乏しい時期になってしまい、実写比較ができていません。
熱心な方にHEUIBを使って頂きましたので、その方の評価と私の評価を書きます。
(1)輝星に赤いフレアが発生する。
アンタレス付近の撮影は断念した。
輝星の無い対象には良さそう。
(2)LPS−P2の青抜けが改善する。
M20やM8左の「猫の手」星雲の青色が楽に出る。
(3)バックグランドの赤カブリが少なくためHαのコントラストが上がる。
多くの条件で試していないが効果がありそう。
(4)写野外のやや明るめの星が悪さをして輝線状の筋がでる。
スタンプツールで簡単に消せるが・・・・
こんな所です。
2005/04/15
フィルター使用時の画像をこちらに載せました。
輝星の有る対象には使えない場合がありますが、赤カブリが少なくなりHαのコントラストが上がります