2004/04/13
ホットピクセル除去

■概要

●ダークフレーム減算を行い、ホットピクセルをダークピクセル(補色)に変換
●コピーしたレイヤーにダスト&スクラッチ処理
●輝点(星)と黒点(ノイズ)は周囲に補間されて消える。
●元のレイヤーとコピーレイヤーを画像操作[比較(明)]すると黒点のみ消える。



(1)ダークフレームの準備



撮影時と同じISO・WB・露出時間と撮影時に近い温度環境でダークフレーム画像を20〜30枚撮影してコンポジット(加算平均)します。

ダークフレームの撮影温度は
天体撮影時の気温が12℃なら15℃で撮影
     〃        18℃なら20℃で撮影
と、必ず高めで撮影することが重要です。(理由は[(3)]ダーク演算)

私の場合は冷凍庫(ストッカー)を使用して5℃ステップのライブラリーを保存してあります。

10℃ステップでも良いでしょう。
 

(2)天体撮影



元画像(20枚撮影時の1枚)

(3)ダーク演算





コンポジット済みダークフレーム画像と天体元画像をPotoshopで減算。

元の画像:ダークフレーム画像
描画モード:減算
不透明度:80%(例)
←ここの値が重要です
ダークフレームのほうが温度が高いのでノイズ・熱カブリが多い。
故に減算し過ぎないよう100%以下に指定します。
KissDigitalなら右の赤い熱カブリが消えるように値を調整する。

元画像を1枚ずつ全てダーク演算します。


(4)減算結果



輝点ノイズは黒点(補色)ノイズになります。このノイズはコンポジット後の作業行程で取り払えます。
KissDigitalなら右端の赤タカブリも消えます。
この画面では見辛いのですが黒いプツプツが確認できます

 
(5)コンポジット



ステライメージでひたすらコンポジットをします。
この作例は20枚(加算平均・位置合わせ)

(4)の画像に比べると黒点がはっきりしてきました。
つまり、コンポジットの効果で偽色が平均化された証拠です。

 
(6)背景レイヤーのコピー








フォトショップに読み込み、背景のコピーをします。

(7)ダスト&スクラッチ



背景のコピーレイヤーに
フィルター → ノイズ[ダスト&スクラッチ]を施します。
半径の値は状況によって変えます。

星も黒点も消えます。

 

(8)背景レイヤーに切り替える







背景レイヤーをアクティブにします。

(9)画像操作




イメージ → [画像操作]

レイヤー :背景のコピー
描画モード:比較(明)

この処理で黒点ノイズが消えます。


(10)操作結果



ダークフレーム減算をしない場合でも(6)〜(9)の処理は偽色取りに有効です。やりすぎるとコントラストを落とす結果となります。
 

(11)画像処理

フォトショップで仕上げます。

 

上記作例はトリミングとレベル調整をして見やすくしてあります。